食虫植物園1

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ムジナモ (A.vesiculosa)
アルドロバンダ・ベシキュロサ 
(Aldrovanda vesiculosa LINNAEUS
モウセンゴケ科ムジナモ属

一属一種の多年生水草。
浮遊性の水草で,根はない。
茎は水平に伸び,分枝して繁殖する。
葉は6〜8枚が輪生し,葉輪を各節ごとにつくる。
葉柄は5〜9mm。
葉輪の直径は1〜2cm。
長さは6〜30cm。
葉柄に捕虫袋があり,水中のプランクトンを捕えて消化吸収する。
夏,淡緑色の五弁の小花を咲かせる
餌となるプランクトンが自然発生するよう,土を入れる。
アオミドロが発生したらすぐに駆除する。
水槽は日当たりの良い場所に置き,光合成を促す。
ただ,夏季の水温上昇は好ましくないので午後日陰になるよう工夫する。
水質はpH6.0〜6.8の弱酸性に管理する。
pHの変動で生育が悪化する適応性に富まない植物。
冬季は越冬のための冬芽形成をして水底に沈む。
水が凍結すると氷に閉じ込められたり,氷の上に押し出されたりするので乾燥しないよう注意する。
日本を含むアジア,オーストラリア,ヨーロッパ,アフリカに広く分布。

     

ビブリス (Byblis)
ビブリス科ビブリス属

ギガンテアとリニフロラの2種がオーストラリアの離れた地域に自生している。
ギガンテアは西オーストラリア西南部の乾いた温帯に,リニフロラが北部の熱帯多雨地域に分布している。
従って栽培の方法も異なり,ギガンテアが乾燥気味に作り,リニフロラは腰水にして高温多湿で栽培する。
ギガンテアが結実しにくい多年草に対し,リニフロラは結実しやすいので一年草として扱っている。
どちらも年間を通じて,終日直射日光に当てる。


リニフロラ (B.liniflora)
ビブリス・リニフロラ (Byblis liniflora SALISB.)


茎の長さは5〜30cm。
倒れやすい小形の一年草。
全体に長さの不均一な腺毛がたくさん生えて粘液を出して小動物を捕らえる。
さらに柄のない腺があり消化酵素をだして消化吸収をおこなう。
本来は二年草だが,越冬が困難なため,一年草として扱い,種子を採って翌春蒔く。
植え付けは水苔単用もしくはピートとパーライト3:1の混合用土。
植え替えは好まない。


      

  
ハエトリグサ (Dionaea)
ハエトリグサ,ディオニア (Dionaea muscipula ELLIS
モウセンゴケ科ハエトリグサ属

一属一種の植物でアメリカ合衆国のノースカロライナ,サウスカロライナ両州の海岸平野にのみ分布。
自生地は大陸性気候で,夏暑くて冬は寒い日中は暑いが夜は涼しいところで,林の間の雑草の中にうもれ,半日陰のところで生育する。
虫が二枚貝のような葉身に触れるとパッと閉じて捕虫する。
葉身の内側には3〜5本のトゲ状の突起があり,1本に触れただけでは閉じない。
初夏に白い5弁の花を咲かせる。
2月頃植え替え・株分け。
植え込みはミズゴケ単用。
常に腰水をして湿度を保つ。
夏場は直射日光が当たり過ぎない場所に置く。
冬場は凍らない程度の涼しい場所で休眠させる。

     




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