2000.11
冬支度
今年は不安定な天候の秋ですが,久しぶりに晴れの週末になりました。あと数日で12月かと思うと今年もあっという間に過ぎてしまったように思えます。
ここ数日で蘭やゴムなど寒さに弱い植物を家の中に入れました。部屋の中は緑が目立つようになってきました。
今日のように暖かい日はウツボカズラなどは外で日に当てるため運び出します。ついでにカメも日光浴させました。なんだか嬉しそうにしています。水温が上がりそうなので金魚の水も替えました。
好天の中,やっていなかった作業をあわててしています。春に咲いて掘り上げておいたチューリップやムスカリの球根を植えました。2年目になると花つきが悪くなりますがどの位咲いてくれるでしょうか。
宿根草の切り戻しや木の剪定もそろそろ終わりにしなくてはなりません。
頭上ではオナガがピィピィ鳴いて飛び回っています。集団でにぎやかに楽しそうです。
秋の日はあっという間に過ぎてしまいます。
(00.11.26)
たき火の花 サザンカ
「垣根の垣根の曲がり角〜」で始まる歌「たき火」の歌詞にサザンカがでてきます。落ち葉焚きをする頃に咲く花,というところでしょうか。ちょうど落ち葉が気になる頃にサザンカはきれいに咲き出しました。
サザンカは椿に似ている木ですが椿より先に咲き出します。種類もたくさんあり,いろいろな場所で見かけます。
今回,写真を載せた2種類のサザンカはどちらも隣の家のものです。かなり古くからあり大きく,見事な木です。
しかし時勢には逆らえず,隣の家も壊す予定になっています。家を壊す時はサザンカや他にもいろいろある立派な木々は切られてしまうことになるでしょう。
残された時間のうちに花の記録をたくさん作りたいと思っています。
このサザンカも来年は見られないかもしれません。せめてきれいに咲いて欲しいと思います。
(00.11.22)
1000円の攻防 ムジナモ
たかが水草です。水草に1000円は安いとはいいかねます。
8月,普段行かない大きな園芸店の店先で私は悩んでいました。
私の欲しがっていたのはムジナモです。食虫植物の一種で絶滅の危機にさらされているものです。それが店頭に並んでいるのです。コップの中に10cmもないような水草が1本入っているだけなのです。
ムジナモは業者が繁殖させたものでいつも置いてあるものではありません。店員さんに訊くと次にいつ入荷できるかはわからないということです。
悩んでいる私に店員さんは食虫植物の専門書を見せてくれました。管理が難しいのでお薦めはできない,という態度です。やとわれ店員らしく失敗するくらいなら買うなとでも言わんばかりです。実際,彼も育てていて成長は芳しくないそうです。
悩みに悩んで買うことにしました。たかが10cmほどの水草に1000円を支払いました。
専門書には水槽に土を入れ,稲わらを入れろなどと書いてあります。そんな面倒なことはしたくないので一度も咲いたことのない睡蓮とメダカが入ってホテイアオイが浮いている水槽の中に入れました。
環境がうまく合ったのでしょうか。ムジナモは無事狭い水槽の中で生育をはじめました。
気が付いたら分枝をして何本にも増えていました。5本位になった時,私は店員さんに勝ったような気がしました。
あれから約3ヶ月,ムジナモは無事成長を続けています。これから初めての冬を迎えます。どんな植物も冬越しが一番難しいものです。本によると水底に沈んで冬を越すそうです。来年,また元気なムジナモに会えることを願っています。
(00.11.12)
白 鷺
いつも通る公園の足元にもカサカサという音がしてきました。
公園の人工池になにやら白いものが見えました。何かと思って近づいてみると白鷺がのんびりと浅い池の中を歩いていました。ここでは初めて見る鳥です。いったいどこから飛んできたのでしょうか。
この公園にはカラス,ハト,スズメなどの常連のほか,シジュウカラやきれいな羽の大型インコなど名前の知らない鳥もたくさん見かけます。鳥の名前も少しづつ覚えたいと思っています。
気が付くと公園の木々もだいぶ紅葉してきました。銀杏やどんぐり・まつぼっくりを拾っている人たちも見かけます。
秋はどんどん深くなってきました。
(00.11.8)
非自立性ゴム
夏の間,外に出しっぱなしでたいした世話もしていなかったゴムの木が横に倒れていました。かなり大きく成長しているゴムの鉢をおこそうと思ったらきちんと立ちません。なぜ?と思って改めてよく見たら鉢の下から太い根がたくさん出て地面に食い込む勢いでした。
これから冬に向けて植物を家の中に入れなくてはならないのにその前に植え替えをしなくてはなりません。すでに8号鉢ですからこれ以上大きくはできません。困ったものです。他にもこのような鉢がありそうです。ここ数日は植え替えや古い土の整理など,ようやくの晴れの天気を大切にしています。
でもその前に植物を部屋にいれるために部屋の片付けをしなくてはならないのです。増やすまい,と思っているのに鉢は増える一方です。
(00.11.5)
花置き人
世間には花盗人といって勝手に他人の家の植物をもっていってしまう人がいます。我が家も被害を受けたことがあります。
ですが,我が家には花置き人が来るのです。知らぬ間に植木鉢がおいてあったりします。犯人(失礼!)はわかっています。いつも家のそばを犬の散歩で通りかかるおじさんなのです。
おじさんはかなりの年配です。臆病な犬の「たま」も高齢です。いつものんびり1時間以上かけてご近所をひとまわりしています。私が庭いじりをしているとこんちわ,と声をかけてくれてしばらく立ち話をしたりします。狭い庭にごちゃごちゃと植わっている植物を見て,同好の士と思ったのでしょうか,時々植木を持ってきてくださるようになりました。
ですから我が家にはおじさんからいただいた花がいくつもあります。枯らしてしまったものもありますがほとんどのものは元気に我が家に根付いています。
今回表紙に使ったコキアは去年いただいたものです。ピンクの枝がとてもきれいで喜んでいるうちに茶色くなって枯れてしまいました。困ったな,とは思いましたがどうしようもなくそのままにしておきました。春になってあちこちから緑の鮮やかな葉が出てきました。それがコキアだったのです。知らぬ間に種を振りまいていたようです。若葉のころの緑もとてもきれいでしたが,秋になって見事にピンクに紅葉してくれました。通りがかりの人も足を止めて誉めてくださいます。
おじさんがコキアを置いていってくださった時,たまたま私は窓から外を眺めていました。そこにおじさんがあたりを伺うようにそおっと我が家の敷地のなかに鉢を置こうとしていたのです。その姿はまるでいたずらっこがなにかをたくらんでいるようでとても微笑ましいものでした。
このごろ,おじさんの散歩姿をあまり見かけなくなりました。ご高齢なのでおじさんか「たま」になにかあったのでは,と心配しています。園芸好きの一人として,自分が大事にしている植木の分身が他人の家で元気に育っていて欲しいと願う気持ちはわかるような気がしています。
(00.11.1)